今回は男性エステティシャンとしてデビューするには避けては通れない道。
就職活動についてです。
なにが大変って、従業員として働ける店舗が無い。これが大きなハードルです。
本人としては働く意欲も高く、自学自習する意思もある。最低限の技術を身に付けたし、多少の無理難題な条件を出されても乗り越えられる自信がある。
だとしても、
店舗側としては受け入れをすることは難しいわけです。
なぜなら店舗側としては、ただ男性が入社するだけの問題ではないからです。男性をエステティシャンとして雇い入れるということはお店のコンセプトから変えていかなくてはならない非常に重大な決断になります。リスクの大きな選択です。
例えば、信用の問題。
エステサロンは女性専用が多く、従業員も女性ばかりです。まずは従業員に男性が入社することを納得してもらわなくてはいけません。そして、お客様にもその男性を信用してもらわなくてはなりません。説明も必要です。それでもお客様や従業員の間でもし何かあったら・・・最悪の場合、閉店につながる可能性もある。そのリスクを飲んでまで男性を雇い入れるメリットがあるのか。敢えて見ず知らずの男性を採用する必要が無いわけです。
それだけではありません。サロンとしては男性のための制服、着替えの場、場合によっては男性エステティシャン独自のメニュー作り、などなど。サロンの在り方も変える必要があります。サロンとしては手間もかかり、お金もかかり考えないといけないことが多くなります。
もちろん、他のサロンとの差別化を図る狙いがあれば男性を雇うこともあると思います。むしろ、男性を雇うメリットがある、そういう考えを持っている経営者の方に出会わない限りエステサロンへの就職は厳しいと思います。
僕の場合もそうした狙いをもった方とお会いできたから就職ができました。
しかし出会うまでの実際の就職活動はどうだったかと言いますと、それはそれは苦労をしていました。人脈もなく、エステを経営している知り合いもいない中の就職活動です。今のところ、人生最大の苦労だったかもしれません(笑)
エステスクールを卒業した僕が行っていた就職活動は、とにかくエステサロンに電話をかけ、男性の就職枠が無いかの確認でした。もちろん大手のエステサロンにも電話をし、面接までして頂きましたが、どこも技術者の枠は無く、店舗管理やカウンセラーのみ。エステティシャンとして勤めたかった僕は就職ができませんでした。
ホットペッパーなどのサイトを見て、「メンズにもおすすめ」と書いてあるサロンに片っ端から電話をかける。もしくは直接足を運び、サロンケアを受け、身の上話をして男性枠が無いかの確認をする。男性をお客様として受け入れているのであれば、男性エステティシャンを雇うこともあるのでは?と考えていたからです。電話をしたエステサロンも50や60どころではありません。
当時の僕は大阪で一人暮らし。家賃の低い家に住んでいたとはいえ、就職活動中の収入はスズメの涙程度。全く就職が決まらず、どんどん貯金だけが減っていく恐怖に怯えていました(笑)
本当にあとひと月、家賃を払えば貯金がなくなり家を引き払わないといけない状態になった矢先、通っていたスクールから「男性枠のあるエステサロンがあったよ」と連絡がありました。就職に苦労していることを伝えていたので紹介をしてくださったわけです!大阪にあるエステサロンに電話をし尽くし、ストレスフルで途方に暮れていた僕に、大げさではなく一筋の光明が差しました。
喜び勇んですぐに面接へ。もうこのチャンスを逃すと2度目はない!という意気込みで必死にアピール(笑)
そして
無事採用!
本当に嬉しかった。世界が開けた思いでした。
採用を決めてくださったサロンオーナー、店長、そして一緒に働いてもいいと言ってくださったスタッフの方、紹介の連絡をくれたスクールには本当に感謝しています。大きな受け皿のおかげでエステティシャンとしての一歩を踏み出すことができました。大阪 心斎橋の中心にあるタワーマンションの35階にある高級サロン。本当にすごい経験でした。
残念ながらそのサロンは閉店してしまったのですが、閉店後僕は1から化粧品を学ぶため化粧品メーカーに就職(直営のサロンに勤められないかも狙いつつ。結局直営サロンに勤めることはできませんでしたが 笑)退職の後、ひかり素肌をオープンするに至りました。
男性としてエステティシャンになること。海外では珍しくはないようです。ただ、日本においてはまだまだ基盤ができていません。それでも、僕は言いたい。エステティシャンという仕事は本当に素晴らしい仕事です。苦労はありますが、価値ある挑戦だと思います!もちろん、最初からご自身で開業するのもありだと思います。
そうではなく、まずは就職を目指している方に。エステティシャンになるには、
とにかく諦めないこと。
口にするのは簡単ですが、難しいことですよね。ですが、やはりこれに尽きます。諦めなければ必ず出会いはあります。
男性エステティシャンというのはこのような困難を乗り越えた方が多いのかもしれません。だから真面目で勉強家で、人間的に素晴らしい意思の強い方が多いのも納得です。そうなれるように僕も日々精進です。