メンズエステティシャンになるために

前々回、ここ数年で一気に男性美容の理解や認知が加速したということに最後に少しふれました。加速した理由は様々ですが、SNSやYouTubeなどで男性のスキンケア動画やメイク動画等が配信されていたことは個人的に大きいと思います。視聴者数の伸びと共に「自分の他にも美容に興味がある男性が一定数いる」「既に実践している人たちがいる」ということが発見と認識されたことは大きかったのではないでしょうか。配信をしていた方たちはあと一歩勇気を踏み出せなかった人たちに勇気を与えた素晴らしいパイオニアですね!

あとは韓流アイドルなど、メイクをしている男性がテレビに出る機会も増えましたね。テレビで見るたびにセクシーさとカッコよさに見とれます。あの流し目はマネできません(笑)

と、このような過程で男性美容の加速があったと思うのですが、では美容を仕事にした男性が増えたか、というとまだまだ多くはないのではないでしょうか。特にメンズのエステティシャンという仕事は特殊です。

エステティシャンになるには王道の方法が大きく2つの方法があります。

①美容系専門学校に通い、エステサロンに就職をする方法

②直接エステサロンに勤める方法

①はきっちり2年間専門学校で基礎を学び、サロンに就職をする方法。若いうちからスタートができ、ある意味正攻法と言えると思います。海外研修があるところもあり、メイクやネイルなど美容全般を学ぶ環境が整っているのでエステサロンとしても欲しい人材ですね。

②は直接現場で学ぶ方法。サロンごとに教育の過程や方法も違いますので良し悪しは一概には言えませんが、エステティシャンはサロンワーク以外にも皮膚理論など共通で持つべき知識の量も非常に多いので、そうしたものは自身で学ばなくてはいけません。最初は仕事と勉強の両立で非常に大変です。

女性であれば①②共に可能です。求人を見ると初心者歓迎のエステサロンも多くあり、教育システムが整っているサロンも多いです。年齢に関係なくいつでもスタートが切りやすいのはエステティシャンの魅力です。

ですが、男性はどうでしょうか。

想像に難くないと思いますが、男性の場合①も②も両方難しいんです!

まず入学できる専門学校は少なく、男性をスタッフとして受け入れてくれるエステサロンはもっと少ない。エステスクールの実技は相モデル(生徒同士で行う)がメインなので、例えば上半身の服を脱ぐ必要があるような授業、身体をほぐすマッサージの授業などには男性が入り込みにくいですよね。

いくら男性美容が認知されていると言え、それはまだ過程。実際の美容はやはり女性がメインです。エステサロンも女性専用サロンがほとんどで、着替えなどもあるサロン内はやはり男性は立ち入りづらい環境です。(女性専用でスタッフが全員男性のマッサージサロンもありますが)

つまり、実践を積む場が非常に少ない

これは技術を生業にする職では致命的。知識だけではどうしても超えられない壁がそこにあるわけです。

では、僕はどのようにしてエステティシャンになれたのでしょうか。

実は、専門学校に通う以外にもエステを学ぶ方法があるわけです。その一つが民間の企業が経営しているエステスクールです。上記で書いたスクールとはいわゆる「専修学校」と呼ばれるもの。学歴も得られ、学ぶ範囲も広く、2年制となります。こうした専門学校のエステ系専攻では男性の入学枠はほぼありません。実際、僕の当時(2016年ごろ)の経験では、ほぼ全ての関西の美容系の専修学校の資料を取り寄せ、問い合わせをしましたが男性が入学できるところはありませんでした...見つけられた方はぜひ教えてほしいです。

対して、企業が行うエステスクールは学歴こそつきませんが、まだ男性が入学できる望みがあると言えます。そしてエステに特化した内容を集中的に学べます。講師の方も大手サロンで長年勤務をしていたベテランのエステティシャンや、実際に専修学校で教鞭をとっていた方がいることもあります。僕の場合、現場ならではのサロンワークの知恵を教えてもらえたのも魅力でした。

ただ、こちらも全てのスクールが男性の入学ができるわけではありません。とにかく探しては問い合わせをし続ける必要があります。僕も色々問い合わせをし、見学に行く日を過ごしました。スクールの担当の方にお会いすると、そのスクールの違うコースを薦められたこともあります。

メンズエステティシャンになるための最初のハードル、それは学ぶ場を探すことと言って差し支えないと思います。

そして授業の都度、モデルの手配などはご自身でする必要があります。これも生徒同士という練習モデルが確保されている専修学校と大きく異なるところです。ただ授業の頻度や日時などは自身で決められるスクールが多いので、モデルの方に協力をしてもらいながら卒業を目指されるのが良いのではないでしょうか。僕は当時大阪市内に住んでいたので運よく住まいの比較的近くでスクールを見つけることができました。地方の方は更に数が少ないでしょうし、苦労はまた大きくなるかもしれません。

美容の素人だった僕はそうしたスクールに通い、エステの知識と技術を身に付けました。見たことのない単語の羅列された教科書、触ったこともない機械、そして動かしたことのない手の動きの手技などなど…入学してからも苦戦の連続です。独学でどうにかなるのでは?と思われる方もいるかもしれませんが、いざ学び始めるとエステティックの学習範囲の広さに驚くと思います。エステティシャンの知識の深さは尊敬に値します。

僕の場合、幸か不幸か男性の生徒は少なかったため、授業はマンツーマンで受けられたことはかなり濃い時間でした。スクール側は女性の生徒さんと被らないように時間調整するのは大変だったと思いますが。

今現在、高校生で、エステティシャンを目指している男性もいるかもしれません。若いうちに自分の進むべき道を定め、目標や夢を持っていることは本当に素晴らしいです。

美容の専門学校を希望し、入学することができれば言うことはありませんが、もし見つからなかった場合。決して悲観しないでほしいと思います。諦めず、根気強く熱意を持ち続ければ必ず道は開けます。僕は美容のスタートが早かったわけではありません。それでも今こうしてメンズエステティシャンとしてサロンを構えることができています。また僕個人としては、入学先が見つからなかった場合でも、腐らず、別の道でも進学することをお勧めします。どんな道であれ、そこで学んだことは人として、またエステティシャンとして決して無駄にはならないからです。(学歴もネ 笑)

ここまでメンズエステティシャンになるための方法を書きましたがいかがだったでしょうか。しかし運よくスクールを見つけ、無事に卒業ができたとしても次の課題が出てきます。そうです、就職です。学んだ知識や技術いかに活かすかにシフトしていかなくていけません。整体系やカイロプラクティックと違い、エステサロンで男性が勤められる場所は本当に少ないんです。

そのまま独立開業される方もいると思いますが、僕はエステサロンに勤める道を選びました。これもまた苦労がですが、それはまた次回に。

最後までお読み頂きありがとうございました。

関連記事

  1. 2020年 最終営業日を迎えました!

  2. 全国美肌改善コンテストで全国2位!準グランプリを頂きました。…

  3. 思春期ニキビ VS ネットの美容情報